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書感・読書レビュー

【読書レビュー】『センスは知識からはじまる』はアイデアの発想手順が学べます

【読書レビュー】『センスは知識からはじまる』は発想の手順が学べます

「センスは生まれつきのものだから」と諦めてはいませんか?
センスは先天的なものではなく、あとからでも十分に身につけることができます。

センスは知識からはじまる』(水野学 著、朝日新聞出版)を読むと、「センス」という言葉の概念が変わり、勇気を貰えるかもしれません。

著者の水野学さんは、クリエイティブディレクターで、あの「くまモン」のキャラクターデザインをした方です。

この記事では、本に書かれてあった「”センス”という言葉の定義」と、「普通を知ることの必要性」、「知識を効率よく知識を増やす3つのコツ」を紹介します。

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"センス"という言葉の定義

まずは「センス」という言葉の定義から。

センスとは、数値化できない事象を最適化することである

「数値化できない事象」というのは、たとえば「おしゃれ」や「かわいさ」です。
あとは、経営センス、バッティングセンスという言葉もよく耳にします。

どれも数値で表すことは難しいものです。

「日本で一番売れている服」はデータを取ればある程度数値化できますが、それを着ればセンスがよくなるわけではありません。

では、どうすれば「センス」を身につけることができるのでしょうか?

まず「普通を知ることが必要」である

「センスのいい」ものを作るためには、まずは「普通を知ることが必要」と言います。

普通とは、「いいもの」がわかるということ。
普通とは、「悪いもの」がわかるということ。

結局、何かを判断したり、選んだりするときは、何かと比較をすることになります。

ですので、同じカテゴリのものをたくさん知り、その中で良いもの、悪いものを見極めていかなければなりません。
そのためには、普通を知る必要があるということです。

たとえば、次のうちどちらが説得力があると思いますか?

説得力があるのはどっち?

  1. 私(歴史は素人)が「織田信長がすごいんだよ」と説明する
  2. 歴史マニアが「織田信長がすごいんだよ」と説明する

この答えは、検討の余地なく「歴史マニア」の方が説得力があります。

この事象を紐解くと、私が知っている戦国武将は、教科書に出てくるせいぜい数十程度です。
そして、各々の戦国武将について知っていることといえば、名前くらいだと思います。

しかし、歴史マニアが知っている戦国武将は数百人以上。さらに、各々の戦国武将に対して、偉業や戦術、家紋、出身地など、ありとあらゆる知識があります。

つまり、歴史マニアが知っている戦国武将の”普通”の方がはるかに精度が高いものになっています。

数値化できない事象を測る方法をたくさん知っていればいるほど、センスがよくなります。

私に子供服を選ぶセンスがない理由が分かった

妻「出かけるから、子どもたちの服、準備しておいてー」

と妻に頼まれることがあります。

私「はい、これ」

と、服を出すと…

妻「なんで、この服なん?」
妻「どういう組み合わせ?」
妻「子供に風邪ひかせたいの?」

と3連コンボを食らう羽目になり、結局、私が服を選んでも採用されることはありません(笑)

この会話からお分かりいただけるように、私には子供の服を選ぶセンスがないのです。

逆に、なぜ妻は適切に子どもの服を選ぶことができるのでしょうか。

それは、子供服選びに関する知識を持ち合わせているからです。

「出かける先は山だから長袖がよい」
「転んでも大丈夫なように厚手の生地がよい」
「走り回るから動きやすい素材がよい」
「上はシンプルだから下は柄がよい」
「子どもたちが並んだときはこの色がかわいい」

などなど。

つまり、「知識」があれば、数値化できない事象でも「最適」なものを選べるんです。
最適なものを選べるというのはセンスがいいってことだと思います。

話を戻すと、私には「子どもの服を選ぶセンスがない」のですが、それはつまり「子どもの服を選ぶための知識がない」ということだったんです。

逆に言えば、「知識を得れば最適なものを選べる」=「センスがよくなる」ということになります。

…どうでしょうか?

「自分にはセンスがない…」と自信がない分野でも、「知識さえ身につければなんとかなる!」と思い始めたのではないでしょうか。

それでは最後に、肝心の知識を効率よく増やす方法を紹介します。

知識を効率よく知識を増やす3つのコツ

これから紹介する知識を増やす方法は、仕事をする上で非常に役に立ちます。
特に、これまで関わったことがない分野の商品開発や企画、クライアントとの打ち合わせなどに挑むときは、作業時間を短縮し、アウトプットの精度を高めてくれるノウハウになると思います。

知識を増やす3つのコツ

  1. 王道から解いていく
  2. 今、流行しているものを知る
  3. 「共通項」や「一定ルール」がないかを考えてみる

【図解】知識を効率よく増やす3つのコツ

1)王道から解いていく

「王道は知る」だけではなく、「解く」ことが大切です。
王道は多くの人に愛され、定番化されたもの。つまり、すでに最適化されたものになるわけです。

では、なぜ「王道(になったモノやサービス)」は、多くの人に愛されたのか?というプロセスを調べていきます。
この「調べる」作業の過程で、自ずと「知識」が蓄えられていきます。

2)今、流行しているものを知る

次に、王道とは真逆の「流行」を知ります。

おすすめの方法としては複数の雑誌を見ること。

流行を知る手立てとして最も効率がいいのは、雑誌。それもできればコンビニの棚に並ぶありとあらゆる雑誌を手にすることをおすすめします。
僕は普段から、女性誌、男性誌、ライフスタイル誌に経済誌と、月に何十冊もの雑誌に目を通しており、ここから得た知識はとても役立っています。
インターネットは速報性はありますが、流行に関する情報は整理されきってはいません。
しかし雑誌なら、精査された情報が載っています。複数読むうちに流行の流れが見えてくるのです。

ちなみに、以前に「【情報収集テク】地方Webディレクターが実践しているインプット方法5つ」という記事でも紹介しましたが、 私は雑誌からまとめて情報を得るために「楽天マガジン」を愛用しています。
著者である水野学さんがおっしゃっていた「女性誌」「男性誌」「ライフスタイル誌」「経済誌」などは、かなり網羅されています。

3)「共通項」や「一定ルール」がないかを考えてみる

「王道」や「流行」を把握したあとは、みんなから愛されているものに、なにか共通項のようなもの、一定ルールのようなものがないかを考えてみます。

そして、そこで生まれた「疑問」から仮説を導き出します。

たとえば、チョコレートの商品開発担当になった場合の疑問は、

「チョコレートのパッケージってたいてい茶色か赤。なぜだろう?」
「暖色系の相性がいいのは、チョコレートにはあったかいイメージがあるからだろうか?」
「とろけるチョコレートというイメージが換気され、おいしそうと感じるからだろうか?」

次に、疑問から仮説を導き出します。

「パッケージは暖色系、できれば茶色やオレンジがいいのかな」

最後に仮説を検証し、結論に結びつけます。

「でも、それじゃありがちだ。茶色の補色にあたる青も併せて使ってみるのはどうだろう。今回の製品はベルギーチョコレートのイメージだから、ベルギー辺りで生まれた書体を選んでみよう」

このように、「王道」と「流行」を調べ、「共通項」から疑問・仮説を考え、それを検証して結論を出すという流れをとることで、全くセンスがないものを生み出すリスクは回避されます。

もしあなたが、新しい企画を作らなければならないけど「何から手を付けていいか分からない」という状態のときは、「王道を解く」ことから始めてみるとよいかもしれません。

まとめ

私は『センスは知識からはじまる』という本を読み、センスの正体を垣間見れたような気がしました。
「センスがない」と諦めてしまうのはもったいないです。
たとえ、自信がない分野があったとしても、知識を身につける行動さえすれば、センスを習得することは可能です。

そして、効率的に知識を増やす行動は「王道を解く」「流行を知る」「共通項や一定ルールがないか考えてみる」の3つです。

ぜひ試してみて下さい。

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『センスは知識からはじまる』を読んだきっかけ

センスは知識からはじまる』を読んだきっかけは、twitterでフォローさせていただいている @maico_design さんが 同じく水野学さんの著書「いちばん大切なのに誰も教えてくれない段取りの教科書」をおすすめしていたことでした。

いちばん大切なのに誰も教えてくれない段取りの教科書」という本が直感的に「役立ちそう!」と感じた私は、即買い。そして読了。
非常に参考になる本でした。

そこから水野学さんの仕事術や発想法が知りたくなり、横に広げていった感じです。

@maico_design さん、きっかけをくださりありがとうございました。

水野学さんの著書

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Web業界歴14年(2005年~)のソイエバです。はじめはWeb制作(デザインとコーディグ)から入り、企画制作・広告管理、Webディレクター、営業、教育部門などを経験してきました。 首都圏で5年働き、地方に移住。現在は個人事業主として企業の社員教育や提案アドバイザー等をしています。 プライベートでは、2児の子育て中。自分の好きな仕事をしながら、ストレスのない生活を送る、ということを心に決めて日々活動しています。 twitterやってます。 詳しいプロフィールはこちら。

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