『「値づけ」の思考法』(小川孔輔 著)の要約をflier(フライヤー)で読んだ。
著者の小川さんは、マーケティング学界の大家らしく、ブランド戦略の専門家。
この本では、さまざまな企業の「値づけ」の事例を学ぶことができる。
成功している企業に共通する値づけ方法
その業界でファンの支持を集め、長く成長し続けている企業には、価格の付け方に共通点があった。
特に、ユニクロ、無印良品、ハニーズ、しまむら、ニトリなどはの価格の決め方(原価逆決め方式)が参考になる。
まず市場調査などの手法を使って消費者にとって値ごろ感のある価格を決め、その設定後に利益が出るように原価を逆算し、その範囲内で商品が作れるように調達先や加工方法を決める。これを「原価逆決め方式」と呼ぶ。
つまり、「売れる価格」「満足してもらえる価格」を先に決め、その価格で販売できるように死にものぐるいで調整する、ということだ。
この考え方は以前に紹介したお弁当で年商70億円を超えている「玉子屋」にも共通する。
玉子屋では、仕入れ優先でメニューを決めているわけではない。お客様に喜ばれるメニューを考えるのが先、仕入れが後だ。
ここから学べることは、「ゴールからの逆算」だ。
ゴールからの逆算をコンテンツ企画に応用してみる
成功している「値づけ」の場合は、「このくらいの価格で販売できれば売れる!」という価格(ゴール)をはじめに決定し、その後、それを実現させるために必死に努力する。
この必死の努力があるからこそ、他者がマネできない参入障壁の高い商品を世に出すことができるのだろう。
この考え方は「値づけ」(お金の価値)以外のところでも応用できそうである。
たとえば、コンテンツの企画に応用してみると…
- 「ここまですればバズるだろう」というネタから逆算して、それを実現するための行動を必死にとる(コンテンツの価値)
- 「これだけの情報を5分で読めたらすごい」という理想から逆算して、それを実現するための情報整理を必死に行う(時間の価値)
など。
いったん自分のスキルやリソースは無視して、どうすれば自分のコンテンツを読んでもらえるかをゼロベースで考えてみる。
そのアイデアをいったん冷静に考えてみて、その上で「読みたい」「シェアしたい」と思えるのであれば、あとはそれを実現するための努力を死にものぐるいで行う。
これを繰り返すことで、企画やコンテンツの審美眼が養われると思う。