『破天荒フェニックス(田中修治 著)』は、メガネの製造販売会社である「株式会社オンデーズ」の再生物語です。
お金がなくて何度も倒産しそうになりますが、その度に、死にものぐるいでその状況を打破していき、成長していく物語です。
信頼していた人間の裏切りや嫉妬・妬みなどがある一方、人生をかけてともに歩んでくれる仲間やパートナーが登場します。
「これ以上の最悪はないでしょ?」というところから、さらに最悪な状況に陥ったりと、読んでいてレールの外れたジェットコースターに乗っているような感覚を味わいました。
そして、この本を読み終えたとき、オンデーズのメガネが欲しくなっていました。
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『破天荒フェニックス』はこんな人におすすめ
物語として単純に面白いので、全般的におすすめなのですが、この本を読んで「学び」を得ようとするのであれば、こんな方におすすめです。
- チャレンジをしても成功できていない人
→ 諦めないことの大切さを学べます - 人間関係で悩んでいる人
→ 裏切られたり、バカにされたり、くよくよするようなことがあっても、強く生きる大切さを学べます - なにかに失敗して凹んでいる人
→ 自分の失敗が小さいものだと感じられるほど、オンデーズは桁違いの失敗を繰り返し、乗り越えています
それと、『破天荒フェニックス』はとにかく分厚い本です。
分厚い本を読み切って、自信をつけたいという方にもおすすめです。
物語が面白いので、ページ数が多くてもサクっと読めてしまいます。
『破天荒フェニックス』を手にとったきっかけ
この本を購入したきっかけは、当時「単純に売れていたから、話題になっていたから(売れている理由、ポイントを知りたい)」です。
当時は、本屋さんに行くと、このメガネをかけた男性のオレンジ色の表紙が何冊もドーーーンと飾られていましたので、どうやっても目がいきました。
そして本の帯を見てみると、ホリエモンやキングコングの西野さんが絶賛しており、「本の内容はよく分かっていないけれども買ってみよう」というわけで購入しました。
そして、読んでみてこの本がなぜ売れているのかが分かりました。
それは、少年ジャンプのような「友情」「努力」「勝利」に加え、現実のビジネスの世界を舞台にした「裏切り」「どん底」「経営美学」が描かれているからだと思います。
『破天荒フェニックス』を読んでみての感想
事前情報がなにもない状態で読み進めていきましたので、「このあとどうなるの?」「本当に潰れるの?」「誰か助けてくれるの?」なんて、少しハラハラしながら読んでいました。
ビジネス書として読んでも学べることは多いです。
実際に、物語自体が面白いのでしょう、「破天荒フェニックス」は、2020年のお正月にはドラマがテレビで放送されることが決定しています。
破天荒フェニックスのドラマ!
これは見るしかないですね。 https://t.co/MykNM3pkS0— ソイエバ@地方webディレクター(たぶん) (@soieba_editor) December 24, 2019
ビジネス書として『破天荒フェニックス』から学べたこと
『破天荒フェニックス』という本は、読む人の状況によって、感じ方が全然違う物語である、感じています。
「読む度に違う気づきがある」、そんな本です。
それだけ、様々な失敗と成功を共有してくれている、内容の濃い物語なんです。
たとえば、今の私の状態で学べたことは
- 働いているスタッフ(人)の大切さ
- 挑戦をやめない気持ちと行動の大切さ
- お客さまの表面上の気持ちではなく、リアルに感じていることを想像することの大切さ
- 成功できないことは環境のせいではなく、自分自身のせいであること
ということです。
自分の経験が増えれば増えるほど、共感できるポイントも増える気がしています。
特に印象に残っているシーン
『破天荒フェニックス』の中で、印象に残っているシーンを紹介します。
一部ネタバレも含んでいますので、まだ読んでいなくて、内容を知りたくない人は飛ばして下さい。
オンデーズの田中修治社長が”メガネビジネス”の本当の価値に気づいた瞬間
このシーンは、私が最も感動した場面の一つです。
オンデーズを買収してからの僕は、メガネをビジネスの為の1つの道具として捉えていた。
お客様に選ばれ、ライバル企業に打ち勝つためにはどうしたらいいか?
ただそればかりを考えていた。
話題性や、ファッション性ばかりに目をやり、他社の追随を許さぬ低価格を実現して事業展開をすればよい。
企業を大きくして利益を出せばよい。それが経営者としての一番大切な仕事であって使命だ。
そう考えていた。しかし(中略)
メガネ屋によっては、専門家としての技術や知識を用いて、人々の視界を快適にしてあげることが何よりも一番重要なのだと、この時はっきり気づかされたのだった。
この直前には、東日本大震災が発生していて、オンデーズは自分たちも潰れかかっているというのに、ボランティアとしてメガネを修理したり、プレゼントしたりしていました。
そして、被災地でひとりのおばあちゃんとの出会いがあります。
おばあちゃんは、震災によってメガネを失ってしまい、家族の安否が書かれた紙を見ることができていませんでした。
どんなにもどかしく、不安な気持ちでいたことでしょう。
しかし、オンデーズのボランティア活動によって、新しいメガネを手にし、その紙を見ることができたのです。
そして、その紙には、家族全員が無事であることが書かれてありました。
オンデーズの田中社長が「メガネ屋の本当の価値」に気づいたのは、この瞬間でした。
オンデーズが新しいステップを踏み出すために、田中修治社長がメガネメーカーを説得するシーン
こちらのシーンからは、田中社長の心の叫びが聞こえてきて、グサっときました。
「良いものだから原価が高い。
だから高いものを高い金額で買ってもらえばいいって、そんなの当たり前じゃないですか?
そんなレベルの低い仕事でいいなら子供だって誰だってできますよ。
そうじゃなくて『なんでこんな良い商品が、こんな金額で買えるんだ?』
そうやって、消費者を驚かすことができて、初めてプロの仕事と言えるんだと思うんです。
僕らがやりたいのは、そういう『単なる安売り』じゃなくて『本当に価値のある商売』がやりたいんです!」
この頃、オンデーズは売上を伸ばしつつあったのですが、それはあくまで安売り戦略。
すぐに競合に追いつかれてしまうし、なんとかして”自分たちならでは”のメガネを世に出したいと、必死に考え巡らせていた状況だと思います。
それじゃあ”自分たちならでは”のメガネとは何か?
お客さんが本当に欲しがる商品は何なのか?
そればかりをずっと考えてきて、やっと光明が見えた。
だから、絶対に、全力で、なにがなんでも、会社の進退を懸けてでも、この商品を作りたい!という情熱が太いレーザービームのように伝わってきました。
まとめ
勢いで購入してみたものの、本の分厚さに臆してしまい、読み始めるまでに時間を要しましたが、読んでみると「もっと早く読んでおけばよかった」と思える本でした。
この本でオンデーズの田中社長、そして、田中社長を支えてきた奥野さんの壮絶な体験を疑似体験できたことで、自分が抱えていたちっぽけな悩みは吹き飛びました。
事業を営んでいる人だけではなく、「人間関係で悩んでいる人」「失敗が怖くてチャレンジできていない人」「チャンジに失敗して凹んでいる人」にとっては、勇気がもらえる1冊だと思います。
『破天荒フェニックス』はドラマ化されるということですので、本を読むのが苦手…という人は、ドラマを見てみるとよいと思います。
関連サイト オンデーズの公式サイト
関連サイト オンデーズのドラマ公式サイト
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